2016年4月14、15日、仙台で行われた「Willi Geller 実習会2016 in 仙台」に、ZOO LABO架工部の佐藤栄司、小河正典が参加しました。
架工部 : 佐藤 栄司
ヴィリーゲラー氏によるポーセレン実習会を受講致しました。
今回の実習内容はジルコニア単冠3本のクリエーション陶材を用いた多色築盛です。
以下のような内容で充実した2日間を過ごすことができました。
1日目
・フレーム調整
・多色築盛ファーストベイク
・ヴィリーゲラー氏によるジルコニア単冠3本のライブデモ
・歯科医師立会いのもと実際に患者様の口腔内にセット
2日目
・多色築盛セカンドベイク
・形態修正
・完成
・ヴィリーゲラー氏によるラミネートベニアライブデモ
・歯科医師立会いのもと実際に患者様の口腔内にセット
・受講生一人ひとりへの製作物アドバイス
今回の実習の最大の醍醐味は実際にヴィリーゲラー氏が製作した技工物をその場で患者様にセットするところです。
セット後の患者様の口腔内を見させて頂き驚愕しました。
技工物が口腔内に綺麗に調和していて、天然歯と見間違えるほどでした。
ヴィリーゲラー氏が製作した技工物や患者様の口腔内セットを実際に見ることができ大変感動致しました。
また、私は今回の実習で初めてクリエーション陶材を築盛しました。
普段の臨床ではセラビアンZRを使用して内部ステイン法で製作しています。
セラビアンZRと違いクリエーションは主に多色築盛で色調を再現する方法なので
なかなか難しかったのですが、完成までさせた技工物は透明感が強くとても綺麗に仕上がりました。
今後は臨床をこなしていく中でケースによって使い分けよりよい技工物を患者様に届けていければと思います。
架工部 : 小河 正典
専門学校の専攻科の時に先輩から1本の筆を貰いました。
その筆には Willi Gellerと記されていました。
その時、 Willi Gellerという技工士が世界的に有名なセラミストということを知りました。
当時の専攻科の実習で臨床ケースのメタルボンド(右下第1小臼歯 シェードA4)を製作する事になりました。今思えば、そのケースが私が製作した人生初のメタルボンドの臨床ケースでした。そのポーセレンを築盛したのもその筆だった事を今でもはっきり覚えています。
私の友人に内海賢二という技工士がいます。
彼は、スイスにある Willi Gellerのラボで3年間にわたりセラミックを勉強し、oraldesignメンバーであり、素晴らしいテクニックを持ったセラミストです。
4月14~15日、仙台で行われた Willi Geller Hands-on courseに参加してきました。
朝、会場に入ると、 葉巻を吹かしながら何か作業をしているMr. Gellerの姿が目に入りました。
その瞬間は、メチャクチャ感動しました。
この人が、あのWilli Geller…。
今回の実習会で使用したクリエイション陶材はいつもと築盛方法も全く異なるもので、上手く築成できるか不安ではありましたが、Mr. Gellerのデモの後、実際に築盛をした訳ですが、私達のテーブルには内海が付いてくれて、わかりやすく解説してもらいながらの築盛だったので思っていたよりも上手く築盛する事が出来ました。
そして、この実習会のメインイベントである、実際の患者さんに会場に来てもらい、その場で口腔内にMr. Gellerの製作したジルコニアセラミックが試適される…。やはり、言うまでもなく自然感のある素晴らしい仕上がりでした。
やっぱ、この人、スゲ~んだ!しかも、もう78歳だなんて…。
また、印象的だったのが、Mr.Gellerがバケーションでバリ島を訪れた時のムービーが上映され、偶然、本屋さんで出会った女性店員さんの破折した中切歯を、友人のドイツ人歯科医師と共に白金箔を使用したラミネートベニアを完成させ、その女性の喜ぶ姿が映し出されました。Mr. Gellerの行動力、そして人柄の素晴らしさには感銘を受けました。
改めて、歯科技工士という仕事の素晴らしさを教えていただきました。
Mr. Geller仕様の筆を使って製作したメタルボンド…。あれから22年…。あの、Willi Gellerに出逢えて、自分の作ったジルコニアセラミックを見てくれて、「nice forme‼︎」と言って頂いた…。本当に夢のような2日間でした。
今回の実習会に誘ってくれた内海にはとても感謝しています。