6月14、15日の2日間に渡り、東京国際フォーラムにて開催された
「第32回 日本顎咬合学会の学術大会」にZOO LABOの7名が参加しました。
▼講習会の様子
「顎関節と咬合の相関関係」 鱒見進一先生の講演を聞きました。内容としては、片顎臼歯部に補綴装置を装着する際の咬合調整の方法、それによる下顎の偏位についてでした。よく咬調する際に、片顎補綴だと咬合紙介在をその補綴側に介在させ咬調する方法が主流です。しかしそれでは患者さんの意識的に介在させた方で強く咬むという意識が働き、反対側のかみ合わせが通常と異なってしまい正確な咬合を与えることが厳しい。以上のことから片側補綴の咬合調整の際も両側に咬合紙を介在させることが必要とのことでした。自分自身チェアサイドでの立会いで咬調を目にする機会がある中でなんの疑問も持たなかったのですが、今回の講演を聞くことで今後はその点をふまえての技工物製作・立ち合いに臨めたらと思います。
6月14日、15日と日本顎咬合学会のセミナーに参加してきました。今回のセミナーは自分が専門としているCADとインプラントを中心に朝貢してきましたが、CADに関しては今まで自分が行っているジルコニアやハイブリッド冠のデザインだけではなく、患者さんに対しての術前・術後の口腔状態をタブレットなどを使用して説明したり、今まであまり活用することのなかったバーチャル咬合器の活用法等、自分が日常で行っている業務以外の利用を各ラボさんが行っているのを目の当たりにし、自分もよりより活用法を見つけ、CADの可能性を最大限に活かしていかなければと良い刺激になりました。
今回初めて日本顎咬合学会の学術大会に2日間参加させて頂きました。いくつかの講演の中で九州大学の鱒見進一先生の「異なる咬合調整や咬合採得法が顎関節に及ぼす影響」という内容の講演を拝聴させて頂きました。通常、技工士が模型上で咬合調整しているやり方とDrの口腔内での咬合調整では、咬合接触面積、咬合力、および咬合力バランス中心が大きく異なることをおっしゃってました。模型上の咬合調整のやり方も大事ですが、こういったDrの臨床からの視点を踏まえて作業しなければいけないと改めて思いました。今回貴重な話をいろいろ聞かせて頂き、大変勉強になり、普段の作業に活かしていきたいと思いました。
今年で4年連続4回目の参加となり、講演内容充実していたし、3月のリヒテン研修で一緒だった先生やテクニシャンとの再会もあり大変有意義な大会であった。
6月14日(土)
・初日は『総義歯補綴臨床における印象採得の位置づけ』に参加し総義歯の印象について講演を聞いた。4人のスピーカーの先生方それぞれ細かいところは違いがあったが、『総義歯の印象は閉口印象が望ましい』という意見で一致していた。これには私も同意見で現在私の総義歯臨床の軸であるBPSも概形印象・機能印象ともに閉口印象を勧めている。これは顎口腔の機能時(咀嚼・嚥下・発音等)は基本的に閉口時の運動であるためではないかと考える。本来、閉口時下顎のレトロモラーパッドはやや内側に倒れこんでいる状態である。開口状態で印象すると縦に伸びてしまい、それに合わせて義歯床を設定しても閉口機能時では形が違うので辺縁封鎖ができず浮き上がる義歯になってしまう。臨床でもレトロモラーパッドを覆う設計にすると短くしてください等の指示を受けることがあるが、これに起因するものだろうと考える。総義歯を考えるうえで印象は治療を始める第一歩となるのでその重要性を再認識した講演であった。ここで学んだことを臨床に取り入れ、取引先の先生と共有することも大事であると感じた。
6月15日(日)
・午前中は併催されているデンタルショーとポスター発表を見て回った。イボクラのブースでは昼食時に行われるランチョンセミナーのチケットを受け取りスタッフと最近の環境・状況について意見交換を行った。BPSの認定コース(クリニカル・テクニカルともに)の人気は衰えるどころか予約も1年待ちのキャンセル待ちとのこと。私がテクニカルライセンスを習得した4年前はクリニカル認定コースの開催が少なく、テクニシャン過多の状態であった。その頃と比べると認定を受けたドクターも増えて、今では認定テクニシャンよりも多くなっているとの話も聞いた。BPSは歯科界ではまだまだメジャーではないが確実に底辺が拡大している、この波に乗り遅れないように常にアンテナを張り、知識・技術の向上・研鑽を怠らないようにしていきたい。
昼食時はイボクラ社主催の『BPSエステティックデンチャー~患者を中心としたチーム医療~』に参加。前半を歯科医師である相澤先生、後半を技工士の岩城先生が発表を行った。ここでは患者満足度の向上のためには歯科医師や技工士が自分がいいと思うことを患者に押し付けるのではなく、歯科医師・患者・技工士が同じゴールをイメージし3者間の認識の共有が必要であると学んだ。
午後の部は『インプラント技工の可能性を探る』に参加。ここでは架工・義歯のそれぞれ専門の技工士が臨床ケースを用いての発表があり、最後に質疑応答・ディスカッションとなった。
近年、インプラント支台を含んだ義歯補綴が増えてきており、それにより対応する側(技工士)もインプラントの知識・技術の習得こそがインプラント補綴の成功につながると感じた。私も今後は積極的にIOD等の知識を身に着けるよう努力しZOOLABOの自費義歯はBPS・金属床・IODの3本柱にしていきたい。
今回初参加させて頂いた日顎の学術大会では、ZOOLABOであまりまだ経験のないインプラントオーバーデンチャー(IOD)についての講演を中心に回りました。
まずポスター発表ではDrとDtの連携による数々の難症例をみて、自分自身、もっとDrへのアプローチが必要だと感じました。指定講演では、インプラント技工の最前線で臨床に携わっている3人のDtの話を拝聴しました。今の自分の仕事内容では、あまり参考になる様な話はありませんでしたが、最後に聞いた須藤さん(Defy)の話が大変分かりやすく、インプラントの打つ本数によりIODをどのように作るかということが少し理解することが出来ました。
残念ながら今回は両日の参加ができませんでしたが、今後IODはCADを活かしてZOOLABOでも取り組んでいかなくてはならない補綴装置なので、これからも積極的に勉強しなければと思いました。
6月14日、15日に東京国際フォーラムで開催された日顎学会に参加してきました。
日顎学会では2日に渡り、海外で活躍されてる先生や日本全国で活躍されてる先生方が集まって日本の歯科臨床のレベルアップに繋げていけるような発表を聞いてきました。歯科医師向け、衛生士向け、技工士向けの講演が会場ごとに別れていて、主に技工士向けの講演を聞いてきました。歯科医師向けの講演も聞いてきましたが、普段ラボサイドしか見えてないのでチェアサイド側からみた患者さんの口腔内の様子や下顎総義歯の吸着を目的とした閉口印象法や実際に患者さんに来てもらって実演してもらうテーブルクリニックなど今後技工をしてく上でとても貴重な話しを聞くことができたと思います。
技工士向けの講演では技工士や先生方の臨床で行ってきた成果や考え方を発表する一般口演を聞いてきました。20分という短い時間でそれぞれの専門分野を発表されるので、知識が未熟な自分にとってとても興味深かったです。患者さんにとって良い義歯を作るためには、義歯製作において基準となる点や平均値、解剖学的指標がいくつかあり、その基準が逸脱していたら先生方と相談して、歯科技工士と歯科医師の共通認識を構築していくことが大切であることを改めて再認識させられました。それはよくあることで、ラボサイドとチェアサイドがコミュニケーションをとってひとつひとつの行程を確認して義歯製作をしていけたらいいなと思いました。 ラボで働く技工士の立ち合い技工の効果についても語られていて、立ち合い技工は歯科医師の熱意や志を直接見て感じることができるので 私も機会があれば積極的に立ち合い技工で出向いてコミュニケーションを深めていけたらいいなと思いました。 技工士向けのテーブルクリニックでは、箸の文化に適応した前歯で噛み切れる保険総義歯の製作法について学んできました。動画で総義歯完成まで細かく説明してくれていたのでとてもわかりやすかったです。私達技工士にとって保険総義歯の仕事が患者様に喜ばれて機能することは歯科医の先生にも喜ばれ仕事の向上にもつながると思うので今回学んだことをこれからの技工に活かしていけたらと思います。
最後に今回このような全国の先生方が集まってレベルの高い講演に参加させていただいた環境に感謝します。 少しでも今回学んだ知識を自分の中に取り入れて、患者様に喜ばれてどんな症例にも対応していけるような技工士になれるようまだまだ未熟ですが精進していきたいと思います。
◆参加公演
①総義歯補綴臨床における印象採得の位置づけ 6月14日13:30~16:30
・咀嚼と嚥下を考慮した印象採得(脇本 貢)
・下顎総義歯の吸着を目的とした閉口機能印象(佐藤 勝史)
・印象採得の2つの方法(上濱 正)
・総義歯臨床における上下顎同時印象(稲葉 繁)
②インプラントのエイジングと新時代のサーフェス科学 6月15日 9:15~12:00
講師:小川隆宏
③BPSエステティックデンチャー~患者を中心としたチーム医療~
6月15日 12:10~13:00 講師:相澤正之、岩城謙二
◆内容の概要と感想
① これまで総義歯は開口印象で上下顎を採り、それを咬合採得によって位置を決める方法が主だった。しかし、咀嚼時、嚥下時など機能したときと口腔内は違う形態になってしまい、口腔周囲筋の動きと調和した形態を義歯に与えられなかった。閉口時に上下歯列を一塊として印象し、その際に機能運動をし、その時の口腔周囲筋の印象採得をし、機能時に安定する義歯の為の印象採得方法とその重要性を学んだ。BPS、Kavoシステム、ゲルバーシステムなどさまざまなシステムがあるが、どれも目指すものは同じで、どれだけ口腔周囲筋の動きや機能時の口腔内の状態を採得できるかが良い義歯の製作には必要であると感じた。
② 過去45年のインプラント研究の歴史で、動物ならびにヒトの報告から判断して、骨とインプラント接触率、あるいは骨の包囲率は、平均で50%程度しかないことが分かっていたが、なぜ100%にできなかったのかはわかっていなかった。研究の結果、チタン表面を作製してからの時間経過によって表面が持っている骨結合能力に違いが出てきてしまうことが発見された。これは空気中どこにでもあるカーボンがチタン表面に付着していくことによる劣化が原因だとわかった。つまり、新しいインプラントを使うべきだが、製作工程や物流、販売工程には限界があり不可能である。そこで発見された技術が光機能化。紫外線領域内の複数の光線でインプラント表面を処理し、劣化をとる技術を発見した。これによりインプラントの親水性が回復し、電化を+に戻し、骨との接着性が大幅に改善された。これはインプラントの歴史からみてもとても大きな進歩であり、歯科だけではなく医療の発展に繋がる発見であると感じた。
③ BPSデンチャーシステムにより、高度な治療と高い患者さんの満足を得ることが可能である。しかしその為にはドクター、スタッフ、技工士、患者さんとのより深いコミュニケーションが必要不可欠になってくる。BPSは最短4ステップの術式で構成されているが、その為、1回で確認、収集しなければいけない情報が多い。
患者さんとのコミュニケーションを深め、その情報をドクター、技工士で共有する。またより患者さんに満足いただくために患者さんに選択させることや患者さんの性別に合わせた役割を学んだ。
社内でもBPS認定技工士の杉山がBPSの臨床もやり始めているので、営業として日々の活動に役立てたいと思う。